日本企業が抱える様々な課題。表面に見えるそうした課題の水面下に潜む何かを知るヒントがイタリアにあるのではないか。2024年9月、そんな興味関心から生まれた旅の企画のトライアルを実施しました。イタリア北部のランゲ地方とデザインの都ミラノを舞台に、地域のビジネスとデザインがダイレクトに結びつく2つの種類の「テリトーリオ」を体感する、日本企業が新たな視座を得るための挑戦的なプログラムでした。今回はその実施報告と、2025年5月に予定されている第2回プログラムのご案内イベントを開催いたします。日時:2024年12月9日(月)19:00-20:30場所: 麻布台ヒルズ Tokyo Venture Capital Hub本プログラムの魅力は、単なる視察を超えた「体感型学び」。少人数で文化的景観世界遺産であるランゲ地方を訪れ、地域の企業 、行政や大学、デザインオフィスを訪問しました。訪問先では現地のステークホルダーとの深い対話を通して、この地域に息づく「テリトーリオ」の力を直に感じていただきました。また、ミラノ工科大学デザイン学部准教授Alessandro Biamonti氏によるレクチャーでは、イタリアのデザイン思考と西海岸発の「デザイン思考」との違いを学び、日本とイタリアが共通して持つ「中小企業が主役となる地域経済」のあり方を改めて考察しました。これらの活動を通して参加者が得た気づきを交えて、プログラムの成果をご報告いたします。また次回企画を含めた今後の活動についてもご案内します。本イベントではプログラム企画者であり、著書『新・ラグジュアリー:文化が生み出す経済10の講義』で知られる安西洋之氏がイタリアから帰国し、登壇予定です。彼の独自の視点から、イタリアと日本が交わるビジネスとデザインの新しい可能性について直接お話しいただきます。「自社の成長のヒントを得たい」「なぜイタリアのプロダクトは魅力的なのか知りたい」「次回のプログラムに興味がある」と感じている方に最適な機会です。ご関心のある企業担当者や個人の皆様、どうぞお気軽にご参加ください。――――――――――
Speakers
安西洋之 De-Tales Ltd.ディレクター
東京とミラノを拠点としたビジネス+文化のデザイナー。欧州とアジアの企業 間提携の提案、商品企画や販売戦略等に多数参画してきた。同時にデザイン分野 との関わりも深い。2000 年代からカーナビなどの電子機器インターフェースの 欧州市場向けユーザビリティやローカリゼーションに関わり、デザインを通じた異文化理解の仕方「ローカリゼーションマップ」の啓蒙活動をはじめた。2017 年、ベルガンティ『突破するデザイン』の監修に関与して以降、意味のイノベー ションのエヴァンジェリストとして活動するなかで、現在はラグジュアリーの新しい意味を探索中。また、ソーシャル・イノべーションを促すデザイン文化についてもリサーチ中である。
著書に、『メイド・イン・イタリーはなぜ強いのか』(晶文社)、『世界の伸びている中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』、『イタリアで、福島は。』(以 上、クロスメディア・パブリッシング)、『ヨーロッパの目、日本の目』(日本評 論社)。共著に、『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10 の講義』『デザ インの次に来るもの』(クロスメディア・パブリッシング)、『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?』(日経 BP 社)。訳書に、マンズィーニ『日々の政治』(BNN)『ここちよい近さがまちを変える/ケアとデジタルによる近接のデザイン』(X デザイン出版)。監修に、ベルガンティ『突破するデザイン』(日 経 BP 社)。
渡辺今日子 knots associates株式会社 取締役 COO
慶應義塾大学大学院にてシステムズエンジニアリングを学び、2015年より同大学院研究科にて特任助教。ものごとを分野横断的システムとしてに捉えデザインする方法論、思考法を用いて、企業の新規事業開発、地域創生プロジェクト支援及び人材育成支援。2019年システムデザインコンサルティングファーム 共同創業。2023年よりイタリアミラノにおけるデザインを学ぶべく、現地での対話や体験(design discourse)を重ね、持続的かつ意味のあるシステムデザインを追求中。
ネットイヤーグループ株式会社 社外取締役、慶應義塾大学大学院 特任助教 兼務。
他、特別非営利活動法人 Your School (学校の日常を病院に)理事を務める。
慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント学修士、 慶應義塾大学経済学部 学士